阿倍野ハルカス展望台から (Custom)
      真夏の、アベノハルカス、展望台から.。     むねお
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              № 26-6

     こぼればな3
 クローバーはらりと舞い落ちた詩集
   荻野 浩子 (堺市)
こぼればなillust444
 蛸つぼへまず頭から入ります
   西澤 知子 (橿原市)
こぼればなillust444
 半身はもう煙だとおもいます
   山口 亜都子 (三重・御浜町)
こぼればなillust444
 ひとり分洗うひとりの水の音
   板垣 孝志 (大和高田市)
こぼればなillust444
 イマニミテイロどういう色だ
   森吉 留里惠 (柏原市)
こぼればなillust444
 尖兵の手の疵舐める老眼鏡
   那須 鎮彦 (五條市)
こぼればなillust444
 紐つきのヒモとあそんでいるじかん
   句ノ一  (伊豆の国市)
こぼればなillust444
 旧姓の私もう一いっこの私
   毛利 由美 (つくば市)
こぼればなillust444
 いちまいのメモに説得力がある
   ひとり静 (大和郡山市)
こぼればなillust444
 いい靴を履いた男についていく
   日下部 敦世 (松戸市)
こぼればなillust444
 一部始終が君の瞳にくるまれる
   山崎 夫美子 (大和郡山市)
こぼればなillust444
 それとなく聞いてはみたが生返事
   福田 道子 (天理市)
こぼればなillust444
 流れゆく月日の重みかみしめる
   佐藤 辰雄 (奈良・川西町)
こぼればなillust444
 鞭打てど靴下の穴なんとしよう
   上窪 一笑 (吉野町)
こぼればなillust444
 いつの日か大地の色になりましょう
   下谷 憲子 (桜井市)
こぼればなillust444
 少年の万年筆が対ってくる
   鶴本 むねお (下市町)
こぼればなillust444 

                                           
          
あべのハルカス展望台から大阪市街 (Custom)
    アベノハルカス、展望台より。   むねお
          蚊取り線香

 こぼればな第26号・あとがき
 「平成30年6月10日発行」
より


◆先日ある文章で”風流”なる言語に遭遇し
たが、近ごろ滅多にお目にかかれないこと
ばである。それで思い出したのは私が川柳
を始めてどれ程経った頃であろうか、ある
人と何故か川柳の話題になり、某氏曰く「
風流な趣味だ」はどと言われ、実に心外な
思いをした。
俳句や短歌(和歌)の世界はいざ知らず、
川柳を風流などと思ったこともないし、寧
ろ自身の川柳とはまるで無縁の言葉であっ
た。
 川柳らしいものを書き始めた頃から、先
人の有名な言葉「川柳は人間である」を知
っていたからなおさら。そして現役の川柳
家が風流などと喚ぶ人は多分皆無であろう
と・・・。
◆このところ安倍政権の公文書改ざんに纏
わる不信感が、スポーツの世界アメフトの
不正タックル(暴力)にまで飛び火?した
鬱陶しい話題で沸騰する。此方自然界でも
南から例年より十日も早いらしい梅雨入り
宣言が相次ぐ、まさに何もかも雨季に突入
ーである。
 ただ、身辺にいいことが一つ。数日前か
ら裏の小川では今年も幽玄の蛍の競演が夕
べのひとときを演出してくれている。
               【む】
      蓮




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                                   酷暑お見舞い申し上げます。 ・ 山口
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               № 26-5
        こぼればな3
 カレンダーの花丸母の日の内緒
   荻野 浩子 (堺市)
こぼればなillust444 
 受付の練習笑顔むつかしい
   西澤 知子 (橿原市)
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 四捨五入したら居なくなるわたし
   山口 亜都子 (三重・御浜町)
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 神様の杓で冷たい水を飲む
   板垣 孝志 (大和高田市)
こぼればなillust444 
 音なき声に瞳こらして
   森吉 留里惠 (柏原市)
こぼればなillust444 
 七彩の恋を知ってる金平糖
   那須 鎮彦 (五條市)
こぼればなillust444
 伯父さまはまだ青春の中にいる
   句ノ一  (伊豆の国市)
こぼればなillust444 
 身長はダイエットしなくても減り
   毛利 由美 (つくば市)
こぼればなillust444 
 悪いけど今日はひらひらいたします
   ひとり静  (大和高田市)
こぼればなillust444 
 フイレンツェで革のスリッパ買ってくる
   日下部 敦世 (松戸市)
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 レプリカの馬のオーラを侮れぬ
   山崎 夫美子 (大和郡山市)
 こぼればなillust444
 定年の背中に吊るす趣味多忙
   福田 道子 (天理市)
こぼればなillust444 
 手作りの花輪が温いボランティア
   佐藤 辰雄 (奈良・川西町)
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 産土神まつる氏子が減ってゆく
   上窪 一笑 (吉野町)
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 気の遠くなるほど雲と話したの
   下谷 憲子 (桜井市)
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 エース像背負いつづけて虫になる
   久保田 眞子 (土佐市)
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 自虐かも知れぬ鋼を研ぎ澄ます
   鶴本 むねお (下市町)

こぼればな3 


                          自由席 (2)
エッセイ

   マットレス   
板垣 孝志


 戦前の士官学校のように、養成工も勉強しな
がら給料を貰えるシステムは似たところがある。
養成校を目指すのは貧しい家庭の出身者がほと
んどであった。
 親元に出すはがきまでチェックされて、愚痴
や弱音など書けば、寮生全員が床に正座、説教
の上出勤前に昆陽池(一週四キロメートル)を走
らされる。門限遅れ、下痢による欠勤、すべて
に連帯責任が問われ、罰則は「外出禁止」「間
食禁止」と容赦はなかった。
 寮生は留守に、ロッカー・押し入れの検問も
あり、これに清水という先輩が引っ掛かった。
「養成工の分際でマットレスを使っている」と
言う理由だ。
 清水先輩は秀才ではなかったが、豪快で後輩
にも気を遣う人望ある方だった。
 人事課に呼び出された清水先輩はこう答えた。
「僕は貧しい家で育ちました。薄い布団に兄弟
二人ずつ寝かされて育ちました。自分で稼げる
ようになったら、ふわふわの布団で眠るのが夢
でした。それがいけない事なのでしょうか」
 対応を任された人事課の上司は、清水先輩が
給料のほとんどを仕送りに使っている事を知っ
ていて無罪放免とした。
 十年ほど過ぎて、清水先輩は、女子寮でナン
バーワンの女性と結婚。周囲を驚かせたが、中
国出向などの無理が祟ったのか、五十代後半で
亡くなられた。
 後日、奥様にお悔みを伝えた時、こう話され
た。「あの人は飲む打つ買うの代表みたいな人
でした。長男が生まれた時も、麻雀から帰って
こなかったぐらいでしたから・・・でもあの震
災の時、とっさに自分の布団を私に被せその上
から覆いかぶさってくれました。私にはかけが
えのない主人でした。
 震災忌が巡るたび、あの優しかった清水先輩
を思い出す。          孝志


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     名水の里(天川村) (Custom)
          名水の里天川村          むねお

                                    猛暑が続く毎日ではございますが、
                       お体を大切に過ごされますようお祈
                       り申し上げます

                                 

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                    № 26-4
        こぼればな3
 晩鐘の響きへ願い事あまた
   荻野 浩子 (堺市)
こぼればなillust444
 食いだおれ太郎昭和の闇を知っている
   西澤 知子 (橿原市)
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 この世の音みんな聞きたい百合の花
   山口 亜都子 (三重・御浜町)
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 篭の桃今年送りし人の数
   板垣 孝志 (大和高田市)
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 独り暮らしは泣く暇も無し
   森吉 留里惠 (柏原市)
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 精一杯子育てをしたみだれ髪
   那須 鎮彦 (五條市)
こぼればなillust444
 ハイちゅーる猫も時にはお手をする
   句ノ一  (伊豆の国市)
こぼればなillust444
 モザイクがかかる日本の青写真
   毛利 由美 (つくば市)
こぼればなillust444
 何かしていなきゃ戸がまた開きそうで
   ふとり静  (大和郡山市)
こぼればなillust444
 イタリーの靴日本人には似合わない
   日下部 敦世 (松戸市)
こぼればなillust444
 やみくもに春を奏でるフラミンゴ
   山崎 夫美子 (大和郡山市)
こぼればなillust444
 寝転んで本を読んでた青いころ
   福田 道子 (天理市)
こぼればなillust444
 人間が浮き沈みする走馬燈
   佐藤 辰雄 (奈良・川西町)
こぼればなillust444
 芋植えて蓮を摘んで老婆は老い
   上窪 一笑 (吉野町)
こぼればなillust444
 酔ったかも今宵は泣けるジャズピアノ
   下谷 憲子 (桜井市)
こぼればなillust444
 潤いの螺旋階段 死と遊ぶ
   久保田 眞子 (土佐市)
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 花のある構図訣れがあるばかり
   鶴本 むねお (下市町)
竹のライン
こぼればな3            
         自由席 (3)

  エッセイ抄    

  句集「石榴」発刊に寄せて
              荻野 浩子


 やっと届いた句集『石榴』は堺番傘創立九十周
年記念川柳大会の二日前だった。大会の準備は着
々と進み他府県からの参加者もあり、うれしい悲
鳴を上げていた。仲間から「句集が楽しみだ!」
と、言われてもまだ手元に届いていないのに焦っ
てしまった。余裕をもって原稿を届けていたのに
・・・。年度替わりの四月の時期が悪いんだと、
仲間から言われた。校正から出来上がりを見るま
で不安で、夜中も目が冴えてなかなか眠れなかっ
た。 ページを開くドキドキ感もないまま大会に
突入少ないスタッフメンバー達のフル活動の御蔭
で、恙なく大会が終わった。喜びの礼状が次々届
いている。芯を抜かれるほど疲れたが、それ以上
に学んだことも多かった。今、残務整理に追われ
ている。これもよき想い出になればと願っている。
 下手の横好きで始めた川柳だが、一句、1句へ
の思いは熱い。その時のドラマが私の夢の中を駆
け巡ってくる。駄句であろうとも私のいとしき分
身なのだ。
 「旅カバン春の扉を押し開ける」最初の句は、  
前の堺番傘会長、中田たつおさんが大会で秀句に
選んで下さった好きな句で、鎮魂の気持ちを込め
て扉を飾った。その段落にエッセイを挟んだ。思
い入れの多いエッセイの中から「雪茶碗」を選ん
だ。エッセイの譜面は父と別れの曲である。降り
しきる桜を父母に重ねた私の詩に友が作曲した。
娘のエレクトーンに夫が歌った「花」である。テ
ープを聞きながら子や孫たちに囲まれ、静かに息
を引き取った葬送の譜面になった。
 序文も跋文もなく、望郷、旅、家族、趣味など
いっぱい詰め込んだ独りよがりの句集、題字も写
真もカットも装丁の色までこだわり、無理を聞い
てもらった。緊張感に押しつぶされそうな毎日だ
ったけれど、楽しい作業だった。川柳の先輩たち
や、父母への鎮魂になればと祈っている。家族や
多くの仲間達へ『石榴』を通して感謝が言えたら
うれしい。          浩子
   お知らせ          imagesJU67EDH7.jpg

★  作品をお寄せ下さい。
  次号は8月に発行いたします。
  原稿(メール共)は七月中に
  届くようお願いします。

★ エッセー、柳論等
 (字数制限なし・テーマ自由)
  文書はなるべく早めの送稿を
  お願いします。


                     muneo





プロフィール

よしのすぎ

Author:よしのすぎ
 柳壇【こぼれ花】

連絡先・奈良県吉野郡下市町
☎・FAX 0747-52-0132
  鶴本 むねお 


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